
ストーリーを共に創り上げている感覚
ーアーティストがGIONさんの写真に求めているものとは?
僕のスタイルのはじまりは、2000年代の前半にThe Barnstormersを撮影したころからです。The Barnstormersは、David Ellisを中心とした20人ほどのブルックリンと東京のアーティスト集団で、Madsakiさんも出入りしていました。彼らがノースキャロライナで大きな壁画を描くということを聞き、これは面白そうだという直感して着いて行くことにしました。ずっと彼らの様子を撮影しているうちに、だんだんとメンバーも素顔を見せるようになりました。そうして、作品と共に、彼らの生活や作品制作、そしてそれらを取り巻く情景を撮影することができたのです。 (写真集The Barns by the Barnstormers に収録)
アーティストによっては、そこまで踏み込ませてくれる人と、そうではない人が居ますので、距離感は察知して撮影しています。
最近、舘鼻則孝さんの作品を撮影させてもらっていますが、彼はクリエイティブな視点から写真に対してもしっかりしたこだわりがあるので、ただの記録写真ではなく、ストーリーを共に創り上げている感覚があって、それはとてもありがたい。
僕はどんな時でも歴史を記録しているという意識は常にあり、どんな被写体が相手でも、ある意味のコラボレーションだと思って撮影しています。それを受け入れて、フォトグラファーとして撮影させてもらえることにいつも感謝しています。
―GIONさんの創作の始まりは演劇でしたが、写真という表現方法をとることになりました。今改めて振り返ってどう考えますか?
演劇をやっていたときも「この一瞬は心にとどめておきたい。」と、思う瞬間が僕の場合はたくさんあったんです。それは演劇上のストーリーの流れの中でも起こるのですが、同じことを写真でやっているに過ぎません。物書きを目指していたけれども、自分はビジュアルの中にストーリーを見つけることに興味があって、こちらの方がうまくいく人だったみたいです(笑)
インタビュー後記:
GION氏は写真学科卒ではなく、いわゆるアートアカデミックな教育を受けていないことにコンプレックスのようなものはあるそうだが、同時に「刷り込まれていない分、自由なものの見方でアートと付き合って来れた」とも感じるそうだ。
演劇で培われたストーリーテラー的な視点は、フォトグラファーGION氏ならではの確かなバックボーンだ。そのブレない視点から紡がれるストーリーの集積を、写真を通じて届けられ、私たちもある時代のあるシーンの目撃者になれる。そんな写真に触れられることは、とても幸運なことだ。
写真の粒子に乗って流れ出す自由な空気が、ニューヨークや世界のどこかから届くことを楽しみにしている。
GION
https://www.gionstudio.com/
GION was born in Okayama, Japan. He developed his most important photographic techniques, “communication” and “story” through background as a theatrical director in Tokyo.
Based in New York since 1993, GION currently resides in Williamsburg Brooklyn, where he found this neighbor as his photographic subject, and created his books such as “Riverside Story”, “Riverside Story 2” and currently working on a new project “Domino Sugar Factory”. GION specializes in portraits and architectural photography for editorial and commercial fields. His fine art work also includes collaborations with artists such as The Barnstormers and Noritaka Tatehana.
Books
2011 Riverside Story 2
2008 The Barns by the Barnstormers
2007 SHAFT Doze Green/David Ellis
2001 Riverside Story